へんかなぁ?
 小学校で読み聞かせをして帰る途中、紐を地面にたらして走っている車を見た。「あの紐を踏んだら、車はひっくり返るかな?」と思ったところで我に返った。「紐を踏んだら私のほうがひっくり返るか。」そう思ったらおかしくて一人でニヤニヤ。うちへ帰って夫に話すと、「やっぱりあなたは変!」と言われてしまった。
 私は車に乗ってると、しょっちゅう「変!」だと言われるようなことを考える。
 急な坂道を登っているとき、シートにもたれているとそのまま後ろにひっくり返ってしまいそうな気がして、つい、前かがみになってしまうし、反対に下っているときは、誰かが足を出したら、つまずいてそのままでんぐり返りしてしまいそうな気がする。車の前に足を出して引っ掛けようなんて思う人って、絶対いるはず無いのに・・・ 
 今は那覇に住んでいるので、もうそんなことは無いけど、田舎道の草がぼうぼうと生えている上を通ると、なんだかくすぐったいような気がして落ち着かなかったこともあった。それを一緒に乗ってた妹に話すと、「ねぇねよぉ、変なこと言うから、私までくすぐったくなるさぁ。」と。草の上を通るたびに二人であはあは笑ったっけ。
 車のことを書いていると、どうしても思い出してしまう出来事がある。それは、私が初めて買った1台目の赤のターセルのこと。
 中古で買ったターセルを、何年か乗って買い換えることになった。2代目のスターレットを受け取りに、仕事を早退してそのターセルで出かけると、その日の朝まで何とも無かったのに、取り替えられて置いてきぼりにされることが分かっているかのように、大通りに出る手前で動かなくなり、うんとも寸とも言わなくなった。仕方なく、近くの修理工場に引き取ってもらったけど、ほかのスクラップになる車たちと一緒に並んだターセルが、新しい車で通勤する私を恨めしそうに見ているようで、何度も「ごめんね。」って謝ったっけ。しばらくしてそこからターセルが消えた日、寂しいような、ホッとしたようなそんな気持ちになったことを覚えている。今でも思い出すと、すこぉし、胸がチクンとする。
 何度か車を買い換えてきて、胸の痛くなるような別れはその後経験してないけれど、車を擬人化してしまって、心の中でつい、話し掛けてしまうのである。
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